夢はみーんな消えて、アワになるのか?
前置きはなしだ。
ネタバレからだ。
コホリント島とゆーところに、主人公リンクくんは流れ着くのだが、島そのものが「かぜのさかな」が見ている夢だった。リンクが外に出るためには、かぜのさかなに目を覚ましてもらわないといけない。だが、目を覚ますということは、コホリント島が消えるということ。海もら山も、魔物も生き物も人々も。みーんな消えて、アワになる。
と、いう話だ。この「みーんな消えて、アワになる。」ということが、夢をみる島全体に、何だか切なさを感じさせる。
が!
この切なさは、「目が覚めたら夢は消える」という前提のもとに成り立っている。ゲームの生き物たちも、「目が覚めたら我らは消える」と言っている。しかして、果たしてそうなのだろうか?
夢は消えるのか?
そもそも夢とは何ぞや。脳みそが記憶を調整しているだとか、色々言われているけれど、結局のところ誰にも分かっていないと思う。
私が夢で一番疑問なのは、「なぜ忘れるのか?」というところ。
どんな夢だったか、清明に覚えている人はいないと思う。そりゃあ、追いかけられる夢だとか、芸能人と話している夢だとか、一部、ところどころ覚えているところはある。でも、実際夢を見始めた最初から、目覚める直前の最後まで、事細かく説明出来る人は、いないと思う。
なぜ?
疑問だ。
一応、ここは疑問で終わらせておく。
で、私が夢の世界をどう仮定しているのかというと、実際に実在する世界なのではないか、だ。
話はぶっ飛ぶが宇宙は広く、地球以外にもたーっくさんの星がある。宇宙の広さからしてみれば、太陽などちっぽけなもんで、地球など本当に、ありふれまくった存在なのだ。それは空を見上げると輝く星を見れば一目瞭然で、なので宇宙人というか、生命体は、地球以外にも絶対にいると私は思っている。
「生命体」をどう定義するかにもよるけど。
そもそも人間が見える世界というのは、地球上にしても、我々の身近な世界においても、ごく限られている。自分の体の毛穴ひとつひとつも肉眼で見られないのだ。人間が見えているもの以外存在しないと決めつけるのは、あまりにセンスがないと思う。
言いたいことは、私たちが想像も出来ないような世界が、いーっぱいあるのではないか?と、いうことだ。
そして、夢というのは、その世界を見ている、もしくは実際に、その世界へ意識だけが行っているのではないか?ということだ。
ぶっちゃけ、地球のことも、分かっていない。「地球は丸い」のは常識だが、人間以外から見ると地球は丸くないかもしれない。それこそ水素や炭素などの素粒子さんたちから見たら、そもそも地球は存在しないのかもしれない。
とにかく、人間が見える、感じる、聞こえるものが、全てではないのだ。人間が考えることが全てではないし、想像しうることが全てではないのだ。と、思う。だから、あの不思議に溢れた夢の世界が、人間の脳みそたったひとつが作りだしたもので、たったひとり目覚めただけで、消えてしまう、というのはどうにも信じがたい!というのが、私の考えていること。
眠りについたとき、肉体はとりあえずそこにいるが、肉体以外のなにかはフワフワ〜っとどこかへ行っている。地球以外でもいいし、お布団の繊維の中でもいいし、雲の中でもいい。そこに私がいなくても、私に見えるかもしれないし、もしかしたらたくさんいる私のひとりかもしれない。今を生きる私とそっくりの世界があるかもしれないし、あのときああしていれば…という別の道を生きる私の世界があるかもしれない。となれば私自身も実は、誰かの夢なのかもしれない。
と考えだすと途方もない、答えのない空想が続くので、夢をみる島の話に戻る。
目が覚めたリンクくんは再び漂流。コホリント島はあったかなかったか、よく分からない。目覚めの歌が聞こえてきて、空に「かぜのさかな」が現れる。
あれ、夢じゃなかったのかも?かぜのさかなはまたいつか、夢をみるのかも。
真エンディングでは、ヒロインである「マリン」が空で微笑み、カモメが飛んでいく。
マリンちゃんは結局なんだったのか?
夢だったのか?カモメとなったのか?そもそもカモメだったのか?それとも、どこかに居るのだろうか?
分からない。だって、夢が何かが、分からないから。
夢とは何ぞや?とは、おそらく一生分からない。多分、死ぬってなんぞや?くらい、分からない。でも、夢はやっぱり実在して、みーんな消えて、アワにならないでほしいなあ…というのが、夢をみる島をプレイして、思ったことであった。